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2021/04/01
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ニーズに合わせリアルタイムで活用できる建物情報を構築 「LifeCycleOS」

建物情報のDXを加速させるシステムとして、今年2月にプレスリリースされた「LifeCycleOS」。今回、その提案者3名により詳しく「LifeCycleOS」の仕組みと魅力を聞いてみました。

設計施工に活用しているBIMデータと建物の運用管理情報を組み合わせてカスタマイズした「運用BIM」に、竣工後に蓄積していく各種データ(IoT管理・ロボット管理・施設管理・エネルギー管理等)を紐づける、業界初の建物運用情報の統合管理システムです。本システムの適用により建物情報を建物利用者や管理者等、様々な立場の建物利用者のニーズに合わせてリアルタイムに提供し、建物に係る各種デジタルデータを有効活用する仕組みを構築します

LifeCycleOSを提案した山﨑、上田、池上の3名にソリューションの話を聞いた。

――まずは、池上さん。LifeCycleOSの概要をお聞かせください。

【池上】
昨今、急激なデジタル技術の発展はSNSやエンターテインメント業界だけでなく、建設業界にも大きく波及してきています。SNSプラットフォームは、様々なサービス(決済/配達/動画/健康etc…)と紐づけることができます。データは社会の状況や環境を可視化し現代社会文化を形成しているといえます。我々は生活するうえで必ず建物と密接な関係を持ちます。つまり、データと建物をつなげることは大きな意味があります。

「どの空間でどのような活動を誰といつ行ったか?」などは今後の社会にとって大きな価値があります。それを可能にする理念はサイバーフィジカルシステム(建設業でいうクラウドで現実とつながったBIMでのデジタルツイン)であり、大成建設としてのサービス「LifeCycleOS」と考えています。

大成建設株式会社
建築総本部デジタルプロダクトセンター
BIM・デジタルツイン推進担当 主任
池上 晃司 氏

――なるほど、「どの空間でどのような活動をだれといつ行ったか?」というのはデジタルならではの新しい価値がありますね。では次に、LifeCycleOSの特徴をお聞かせください。

【山﨑】
LifeCycleOSのコンセプトは、BIMを設計、施工そしてその先の建物の運用まで活かすことが特徴の一つですが、その際に各フェーズに最適なBIMデータを構築するところがポイントとなります。

建物をつくるための生産BIM(設計BIM/施工BIM)は、高密度・高精度なデータを要しますが、建物の運用に必要なBIMは、建物の3次元マップとしての立体情報と、そこに情報を紐づけるための部屋や部材の情報がしっかり入っていればよいので、生産BIMほど高いモデル密度を必要としません。

LifeCycleOSの実装と一緒に考えているのが、UX*デザイナーの働きです。UXデザイナーは、お客様の建物運用をお客様と一緒に考え、効率的で利便性の高い運用を実現できるように、建築主や施設管理者へのヒアリングによる運用に必要な要件を抽出し、BIMマネージャーと連携しながら運用を見据えたBIMデータのマネジメントを行います。建築主や事業主といったお客様に対して、設計段階から建物の運用(UX)コンサルティングを行うことと並行して、運用時に必要な属性情報の設定を設計、施工のBIMチームと連携してBIMデータを構築しておけば、竣工時に生産BIMから運用BIMにスムーズに変換できます。
※UX(User eXperience) … 製品やサービスを使った際にユーザーが得られる体験のこと

また、早い段階から運用ニーズに基づいたサービス提供のためのサービスメニューのカスタマイズやアプリ開発を済ませ、建物の運用・管理システムとして実装しておくことで、建物運用開始時にすぐに必要なサービスを提供することができるのです。

一般的な建物運用のためのメニューは、スタンダードメニューとして用意しますが、建物はフルオーダーの一品生産なので、運用のためのメニューもニーズに合わせてカスタマイズや追加ができるようにします。そのためにも情報管理のためのOS(Data Operation System)という考え方を採用し、弊社以外の様々な情報サービスとつなげることができるように考えました。

もちろん、運用開始後もそれらのアプリケーションやBIMデータそのものをアップデートしていけるので、リニューアル時にもデータまるごと継承でき、まさに“建物の一生に寄り添っていける”建物のライフサイクルのためのシステムだと考えています。

大成建設株式会社
設計本部設計戦略部
クリエイティブ・デザイン室 室長
山﨑 信宏 氏

――最後に上田さん、その“建物の一生に寄り添っていける”という「LifeCycleOS」のメリットを聞かせてください。

【上田】
建物や施設群にこのサービスをインストール(適用)することはパソコンのデータ管理と似ています。

我々は普段から画像や文章、図面/3Dなど様々なソフトウェアのデータやインターネット上のデータを扱っていますが、それらを1台のパソコンで管理しています。

これと同じように、LifeCycleOSでは建物内に設置したカメラで撮影された画像・映像やIoTからのセンシングデータを用いて環境や状況を集約して記録しています。

さらに周辺の交通状況や気象情報といった外部情報も組み合わせることで、常に最適な環境で建物を維持管理できるようになることが最大のメリットです。

ただ、建物は基本的に一品生産であるために、建物ごとに 管理者/インフラ事業者/エンドユーザーが変わってきます。

せっかく多くのカメラやIoTセンサーからデータを集めても、建物の使われ方とリンクしていなければ、誰も使わないデータ群となってしまいます。

そのため、ユーザー体験(UX)に合わせて、BIMデータを構築し、データ同士を組み合わせることで、常に最適な環境で維持管理ができるIoTサービスを提供できるよう「UXコンサルティング」事業も合わせて行います。

大成建設のノウハウを最大限生かしてお客様とコミュニケーションをとりながら構築していきます。

大成建設株式会社
設計本部建築設計第6部(高村)
設計室(曽根) アーキテクト
上田 恭平 氏

――ありがとうございました。

ユーザーの皆様、そして大成建設AI・IoTの、大きな期待を担った「LifeCycleOS」。続報は本HPにて随時発信していきます。ご期待ください!