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2023.01.14(Sat)

「社員を守る」念願のシステムでした
〜測震ナビが生む、BCPの新しい形〜

ヤマハ発動機ビズパートナー株式会社

「地震などの災害時では、従来のBCPでは対応できない事態が生じます。そんな時、自分たちの組織で対応しようにも、スタッフが少なく、時間や手間がかかり解決できません。企業でBCPを担当されている方は、私たちと同じような問題を抱えておられるのではないでしょうか。私たちは緊急時の活動基盤をデジタル化することで実効力のあるBCPを実現できるのではと考えています。「測震ナビ」は、チームのメンバーや社員の命を守るツールです。「測震ナビ」がこれからのBCP支援ツールのスタンダードになるのではないでしょうか。」

ヤマハ発動機ビズパートナー株式会社
建設・施設管理部施設建設課長 永岡伸介さん

ヤマハ発動機グループで災害対策本部・施設班建物係のリーダーを務める永岡伸介さんは、地震による建物の揺れを計測し速やかに建物の安全性を判定する大成建設の「測震ナビ」の導入を決めた。「測震ナビ」で、緊急時の管理体制はどのように変わったのか。早期復旧と事業継続を目指すBCPにおけるメリットについて語っていただいた。

BCP担当者の不安を解消

当社の災害対策本部の施設班は、地震発生直後に直ちに現場に駆けつけ、建物の継続使用が可能(安全)か否かを調査します。調査方法は、応急危険度判定士の調査票を活用し、下げ振りなどを使って残留変形角を測定し判定します。しかし、傾斜角の精度は、手の届く範囲のみを測定することから必ずしも正確とはいえません。また、内装材により構造体が隠蔽されていることが多く、判定に時間を要するという問題点もあります。更に、外観からは問題なく見えても、建物の構造体が損傷している可能性もあり、潜在的なリスクを感じながら建物中へ調査に入らなくてはいけません。余震の際に調査をしている当社スタッフが怪我をする恐れもあります。つまり、当社の建物調査には「判定精度・判定時間・安全リスク」の3つの課題がありました。

外部専門家の協力を頼ることも必要ですが、広域災害においては即応いただけるとは限らず、当社社員だけで建物判定を行うことを想定しなければなりません。

そこで、地震発生後の初動対応としてDXの力を借りて、建物の安全性を定量的に判定することを目的に「測震ナビ」の導入を決めました。導入によって、BCPの最前線に立つ我々自身を守り、かつ社員への指示も安心してできるようになります。

スピーディな初動対応が可能に

「建物をすぐに使いたい」、「建物に財布を忘れたから取りに入りたい」、「どんな状況なのかすぐに報告してほしい」など、地震直後から建物の立入りに関する多くの問い合わせが入る可能性があります。一つの建物の調査は、2~3人一組で1~2時間かかるため、全ての建物におけるこうした問合わせに速やかに回答できません。そこで、当社では調査対象の建物に優先順位をつけています。具体的には、防災センターとして使う建物、避難施設や救護施設として使用する建物など、地震直後から継続使用が必要な建物を優先的に調査し、他の建物は地震直後の調査対象から除外しました。

こうした課題に対し、「測震ナビ」は地震直後の数分間で評価結果が「安全、要点検、危険」の3段階で表示されるため、我々施設担当者は社内からの問合わせに時間を要することなく次の行動に移ることができます。また、スマートフォンを使って評価結果をタイムリーに確認できるため、休日や夜間の発災時にも非常に有効です。今後は「測震ナビ」で得られたデータを活用し、どの建物から復旧作業を進めたらよいかといった、復旧計画にも役立てたいと考えています。

「研究対象として当社施設を活用してほしい。」
「効果が得られれば導入したい」

建物の防災担当に着任以降、防災展などに足を運び、モニタリングシステムを見てきましたが、コストが高く導入に踏みきれませんでした。良い解決策がないか検討していたところ、大成建設から、研究開発中の「測震ナビ」の概要を教えていただきました。「イニシャルコストを抑え、ランニングコストは携帯電話の料金くらいにして、多くの人に使ってもらいたい」というコンセプトを伺い、「研究対象として当社施設を活用してほしい。効果が得られれば導入したい」とお話しました。

その後、当社施設に設置したモニタリングシステムは大成建設において研究段階から販売に至り、2021年に当社建物に「測震ナビ」を本格導入。その後の地震で、「測震ナビ」で得られたデータは行政が公表する情報と一致し、その正確性を類推できることが当社防災担当部門で確認されました。

災害時の安全確保・早期の事業復旧において、初動の建物安全判定のスピードは重要な要素です。「測震ナビ」を多く設置する事で、BCPの実効性をより高めることができると考えます。

ヤマハ発動機本社ビルをバックに

ヤマハ発動機本社ビルをバックに、永岡伸介さん(右)と大成建設ソリューション営業本部 森川隆さん
※インタビューはマスク着用にて実施、撮影の時だけマスクを外して撮影しました

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